むーにょんの本棚

読んだ本(小説や新書など)を記録していきます。

林伸次「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。」

 バーのお客による21編の短編連作恋愛小説。音楽とカクテルと恋愛話がおりなす雰囲気がとてもいいです。それぞれの話の特徴が違うので、人によって好みも分かれて面白そうです。

恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。

恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。

 

 

私はだんとつで、11月のレザムルーズ(ブルゴーニュワイン)が出てくる、高校時代に同級生のアイドルと恋をする話(pp26-39)がとても好きです。すごくロマンティックですよね。こんな話はないでしょうけど(笑)。

あとは、9月にモヒートが出てくる自称ブスの人の恋愛話(pp148-160)がほほえましいな、というのと、12月24日に再度レザムルーズが出てくる仕事で知り合った人との恋愛話(pp182-194)が刺さりました。

うまくいった話だけではなく、失恋や不倫の話もあります。恋には季節があったり、落ちてしまったり、すれちがったり、風邪をひくようにかかったり。恋愛にはほんとうにいろんなものがあるのだな、と思います。

読んだら、バーに行きたくなりますね。

著者の林伸次さんは、実際にbar bossaでバーテンをしておられます。cakesやnoteの連載も面白いので、おすすめです。

cakes.mu

note.mu

 

 

梶谷真司「考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門」

 

 

梶谷先生は、京都大の人間・環境学研究科の先輩にあたります(分野は全く違いますが)。一度、勉強会でお話させていただきました。

ぜひ、みなさんにお薦めしたいな、と思いました。新書ですし、サブタイトル通り、老若男女、あまねく対象です。いわゆる学歴高い人こそ凝り固まった思考を自由にする必要がある気がします。

哲学対話は、哲学を学ぶために対話を通して、哲学を「体験」するための取り組みです。グループワークだと4、5人にしますが、哲学対話の場合は15~20人くらいがいい、ということでした。

梶谷先生は、哲学は「問い、考え、語り、聞くこと」としています。

哲学対話では、8つのルールを設定し、そのルールによって、いかに(思考の)制約を取り払うか、自由に問い、語ることができるのか、ということが説明されていました。

このことによって、”他者との対話を通して、他の人と一緒に自由になれる”ということです。

普段、どうしても、バカと思われるようなこと、人格を疑われるようなこと、などは言えないということも多いはず。

私自身、優等生として思考してきたことも多く、規範に縛られたり、人の顔色をうかがってしまうこともあって、自由に考える訓練、体験をしてみたいと思いました。対話、重要ですよね。1人でも2人でも実践できると思うので、やってみて、自由になってみたいです。

奥田英朗「我が家のヒミツ」

奥田英朗の家族短編シリーズ第3弾(前作は「家日和」「我が家の問題」)。

我が家のヒミツ (集英社文庫)

我が家のヒミツ (集英社文庫)

 

家族のちょっとした?問題について、それぞれが悩みながら、解決にむかっていく、というお話。

ちょっと切なく、ほんのりあたたかい気持ちになれる、そんなお話たちです。家族っていいな、って思いますね。ちょっと休憩、というときに1本ずつ読むといいのかも。

 

 

 

 

秋吉理香子「暗黒女子」

映画がいろいろな意味で話題になっていましたね。いわゆる「イヤミス」(読んでいて嫌な気分になる、嫌な感じの結末を迎えるミステリー小説)です。

暗黒女子 (双葉文庫)

暗黒女子 (双葉文庫)

 

一応、 連作短編集、ということになりますか。名門女子高の文学サークルの部員たち6人が、カリスマ女子の死に対しての小説を書いて発表していく、というお話。

それぞれの小説は、ちょっとわかりにくいところもありましたが、ラストで、ほほう、と思いました。嫌なのが大丈夫であれば、軽く読めて、おすすめです。

 

映画が原作に忠実ということみたいなので、ちょっと見てみたいな、と思いました。

清水富美加なぁ。残念よね。

暗黒女子

暗黒女子

 

 

見てみたいな、と思いました。

 

 

 

「まんがでわかるLIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」

リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット「LIFE SHIFT」のまんが版。

まんがでわかる LIFE SHIFT

まんがでわかる LIFE SHIFT

 

 

父(50代で退職間近)、兄(30代で妻子あり)、自分(就活中の女子大生)が、それぞれ自分の将来を考える、というストーリーになっています。これまでの考え方じゃ難しいよ、という問題が生じて、どう対処していくか、考え方を変えられるか、ということが描かれています。

本を読むのが苦手、という人に「LIFE SHIFT」の一部を感じることができる本かな、という感じですね。

 

若林正恭「ナナメの夕暮れ」

オードリー若林のエッセイ。北海道地震の際に読み進めました。

ナナメの夕暮れ

ナナメの夕暮れ

 

「人見知り芸人」などと呼ばれていて、実際に”人見知り”なんだろうけど、エッセイを読むと、よく考えていて、自分に正直な人なんだな、と思う。

ポジティブに憧れるけど、どうしてもなれない、昔はポジティブな人を斜に構えて見ていたけれど、今はそのまま受け入れようとしている、という気持ちの変遷はとても共感しました。私は、他人のことはあまり否定しないとは思うけれど、自分自身のことはあまりポジティブにとらえてないから、かな。

ちょうど9/6に地震で停電、いよいよスマホもつながらなくなった時にちょうど読んだのが、「ナナメの殺し方」(p146)である。気になったところ(p153)を引用。

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僕は今回の生で、自分がポジティブになれるなんてミラクルはもう無いと諦めている。

ポジティブに憧れて、でも変われないという挫折を経験しすぎて飽きてしまった。

前に、なんかで読んだ、ネガティブな人間がいる理由の諸説あるうちの一つがずっと心に残っている。

人間が狩猟生活をしていた時代に、今居る場所から移動して新たな食料を得ようとするのがポジティブな人間なら、移動先には予想できない危険があるかもしれないから、移動しないほうが良いと主張するのがネガティブな人間だと書いてあった。

両者いることにより、より深い議論と結論がその集団に生まれるというのである。

(後略)

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ちょうど、どうやって札幌から帰宅するか、ということを考えていたときだったので、なるほどなぁ、私は”移動しない”人間なのかもなぁ、と。

 

munyon74.hatenablog.jp

若林曰く、ネガティブな時間から逃れられる人生の隠しコマンドが”没頭”らしい。小さい頃は没頭していたけど、大人になってから没頭していない気もするので、なにかに没頭してみようかしら、と思った今日このごろです。

 

 

「響 小説家になる方法」第10巻

「響 小説家になる方法」第10巻がでていたので、買いました。一気読み。

やや強引な感じではありますが、いつもながら響の圧倒的な力が印象的です。ストーリーがしんどくなってきた気もしていたのですが、次回から展開が少し変わるんでしょうかね。 

 

響~小説家になる方法~ (10) (BIG COMIC SUPERIOR)

響~小説家になる方法~ (10) (BIG COMIC SUPERIOR)

 

 

映画、気になるなぁ。見に行こうかなぁ。

www.hibiki-the-movie.jp