林伸次「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。」
バーのお客による21編の短編連作恋愛小説。音楽とカクテルと恋愛話がおりなす雰囲気がとてもいいです。それぞれの話の特徴が違うので、人によって好みも分かれて面白そうです。
私はだんとつで、11月のレザムルーズ(ブルゴーニュワイン)が出てくる、高校時代に同級生のアイドルと恋をする話(pp26-39)がとても好きです。すごくロマンティックですよね。こんな話はないでしょうけど(笑)。
あとは、9月にモヒートが出てくる自称ブスの人の恋愛話(pp148-160)がほほえましいな、というのと、12月24日に再度レザムルーズが出てくる仕事で知り合った人との恋愛話(pp182-194)が刺さりました。
うまくいった話だけではなく、失恋や不倫の話もあります。恋には季節があったり、落ちてしまったり、すれちがったり、風邪をひくようにかかったり。恋愛にはほんとうにいろんなものがあるのだな、と思います。
読んだら、バーに行きたくなりますね。
著者の林伸次さんは、実際にbar bossaでバーテンをしておられます。cakesやnoteの連載も面白いので、おすすめです。