むーにょんの本棚

読んだ本(小説や新書など)を記録していきます。

若林正恭「ナナメの夕暮れ」

オードリー若林のエッセイ。北海道地震の際に読み進めました。

ナナメの夕暮れ

ナナメの夕暮れ

 

「人見知り芸人」などと呼ばれていて、実際に”人見知り”なんだろうけど、エッセイを読むと、よく考えていて、自分に正直な人なんだな、と思う。

ポジティブに憧れるけど、どうしてもなれない、昔はポジティブな人を斜に構えて見ていたけれど、今はそのまま受け入れようとしている、という気持ちの変遷はとても共感しました。私は、他人のことはあまり否定しないとは思うけれど、自分自身のことはあまりポジティブにとらえてないから、かな。

ちょうど9/6に地震で停電、いよいよスマホもつながらなくなった時にちょうど読んだのが、「ナナメの殺し方」(p146)である。気になったところ(p153)を引用。

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僕は今回の生で、自分がポジティブになれるなんてミラクルはもう無いと諦めている。

ポジティブに憧れて、でも変われないという挫折を経験しすぎて飽きてしまった。

前に、なんかで読んだ、ネガティブな人間がいる理由の諸説あるうちの一つがずっと心に残っている。

人間が狩猟生活をしていた時代に、今居る場所から移動して新たな食料を得ようとするのがポジティブな人間なら、移動先には予想できない危険があるかもしれないから、移動しないほうが良いと主張するのがネガティブな人間だと書いてあった。

両者いることにより、より深い議論と結論がその集団に生まれるというのである。

(後略)

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ちょうど、どうやって札幌から帰宅するか、ということを考えていたときだったので、なるほどなぁ、私は”移動しない”人間なのかもなぁ、と。

 

munyon74.hatenablog.jp

若林曰く、ネガティブな時間から逃れられる人生の隠しコマンドが”没頭”らしい。小さい頃は没頭していたけど、大人になってから没頭していない気もするので、なにかに没頭してみようかしら、と思った今日このごろです。