むーにょんの本棚

読んだ本(小説や新書など)を記録していきます。

村田沙耶香「消滅世界」

消滅世界 (河出文庫)

消滅世界 (河出文庫)

 

最近、知り合いに2冊薦められたうちの1冊。村田沙耶香は「コンビニ人間」を読んで、”すごくおもしろい、でも、こわい”と思ってましたけど、この作品を読んで、本当にただただこわい、おそろしい、という感想でした。

セックスが古いものとなり、夫婦(家族)とはセックスしない、夫婦以外に恋人をもつ。人ではなく、二次元も愛の対象。結婚や家族という概念が徐々になくなっていく、という世界の話。SFではあるけど、実際にありえない、とは言い切れない話で、恋愛や家族というものを考えさせられつつ、背中がちょっと寒い感じになりながら読み進めました。

 

碧野圭「書店ガール7 旅立ち」

 

書店ガール7 旅立ち (PHP文芸文庫)

書店ガール7 旅立ち (PHP文芸文庫)

 

「書店ガール」シリーズ最終巻。これまでの登場人物4名がそれぞれ主人公の4編からなります。理子が主人公の第3話がメインですが、本屋の厳しい現状、企業における合理化や組織の難しさ、が描かれていて、なんとも言えない気分になります。でも、これが現実なんだろうなぁ、とも思います。

第1話では、中学校の図書部における生徒たちの問題が描かれ、ビブリオバトルを通していろいろな本が紹介されます。それらの本を読みたくなりますね。第2話では、地方での生活の難しさが描かれます。

この本からでも読めますし、シリーズ通してもう1回読みたくなりますね。

 

ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~

 

 

ビブリオ古書堂シリーズのスピンオフで、4編の短編集。本編は終了しましたが、栞子と五浦が結婚し、娘の扉子が7歳になっていて、昔の話をする、という設定。

ビブリオ古書堂シリーズの雰囲気を気軽に感じられる1冊。

 

結城浩「数学ガールの秘密ノート 行列が描くもの」

 

 

数学ガールの秘密ノート”第10弾。このシリーズは、中高生レベルの数学を対象としたライトノベルで、高2の僕と3人の女子(高2のミルカさん、高1のテトラちゃん、従姉妹の中学のユーリ)が、数学について議論していきます。

今回のテーマは行列。今回は、高校生、大学初年次レベルの内容かな、と思いますが、丁寧に説明されているので、興味ある人であれば理解できるのでは、と思います。

私は学部生の時に、数学基礎論とか群論とかを少し勉強していたので、数学の中でも、代数が結構好きです。なので、楽しく読みました。

今は高校の範囲から行列がなくなったこともあるので、数学に興味ある人にはぜひ読んでほしいです。興味ない人にも読んでほしいです(笑)

宮下奈都「太陽のパスタ、豆のスープ」

 

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

 

婚約解消された主人公が、自由気ままな叔母さんから薦められて、 ”ドリフターズ・リスト”なる、やりたいことリストを作成し、日常生活を丁寧に前向きに過ごしていく、という物語。ゆったり、ほっこりしたお話です。

鍋を買ったり、エステに行ったり、青空マーケットで豆スープを売ったり、いろいろな行動を通して、友達や同僚、家族に助けられながら、少しずつ自分に自信を取り戻していくのが、とてもあたたかい感じです。空気を読んだり、周りに流されたりするのではなく、自分の考えをもって、自由になっていくことが大事だな、と思いますね。